2020年1月2日木曜日

一人ひとりのオリンピック・パラリンピック~施設長 新年のご挨拶~

新年おめでとうございます。

今年は東京オリンピック・パラリンピックの開催年でもあります。
世界中から多くの選手や関係者が我が国に集い、
様々な競技が繰り広げられます。
他方、オリンピックは、平和の祭典とも謂われます。
金・銀・銅のメダル獲得競争に留まることなく、
参加することに意義があるという、
近代オリンピックの創始者、
クーベルタン男爵の言葉が思い起こされます。

私はこれまでも、勝敗の結果に関わりなく、
様々な競技者の姿から胸を熱くすることがありました。
炎天下の女子マラソンで競技場のゴール近くまで来たランナーが
脱水のためかよろよろとよろめきながらもゴールインした姿、
先の冬季オリンピックでは、女子ショートトラックの勝者が、
涙する前にチャンピオンに駆け寄りいたわりの言葉をかけた姿、
なども浮かんできます。

もとより、パラリンピックにおいても、
出場に向けて努力されてきた選手の方々からは勝敗に関わらず
多くの深い感動をいただいてきました。
選手やチームの勝敗の結果を「相対評価」とすれば、
勝敗に関わりなく、出場した選手らの努力や思いやりから受ける感動は
いわば「絶対評価」と言えるものかもしれません。

話は変わりますが、
私たちの「介護老人保健施設 グリーンリーブズ赤枝」でも、
利用者のみなさま一人ひとりが在宅復帰等を目指し、
日々、リハビリテーション(以下、リハビリ)等を通して
運動能力や生活機能の維持・向上に努めておられます。
私たち職員も利用者一人ひとりをケアし、支援しております。
パラリンピックにおける選手と伴走者との関係をも想起させられるものです。

ケアとリハビリを通して、ご利用者様の運動機能が改善し、
痛みが和らぎ、笑顔の見られるようになった例、
認知機能が落ち着いてきて、意思疎通にも改善のみられるようになった例、
あるいは「胃ろう」から経口摂取への切り替えが成功し、
味覚が戻って生きがい、もしくはQOL(人生の質)を高められた例など、
着実に成果が得られています。

通所のデイケアでもリハビリの充実を図ってきました。
リハビリマネージメント会議を開き、
医師の私が直接、当施設のリハビリスタッフともども、
利用者様をはじめご家族、地域のケアマネージャーさんらと面談してきました。
出会いを重ねるうちにやはり互いに笑顔で挨拶ができ、
ご本人からの、デイケアが楽しいといった言葉も増えてくるのです。
「またお会いしましょう。転ばないようにね、リラックスして」と付け加えます。

新年を迎えて、
「一人一人のオリンピック・パラリンピック」という言葉が浮かんできました。
職員一同、利用者様ファーストの思いやりを大切にして、
これまで以上に一人ひとりに合ったケアとリハビリに取り組んでいきたいものと
思うに至ったしだいです。


                       介護老人保健施設 グリーンリーブズ赤枝
                                施設長  大髙 道也